MBA実務編 EBITDAマルチプルとは

MBA留学

投資銀行の担当者と打合せをしている時によくEBITDAマルチプルという指標を見せられます。

 

世間話しをする中で最近話題のM&A案件などを取り上げ「○○の会社はEBITDAマルチプル××倍で買収されています」「これは非常に良い買い物をしたのではないでしょうか」とかいう会話が繰り広げられます。

 

このEBITDAマルチプルとは何を意味するのでしょうか?またEBITDAとは何なのか、説明していきます。

 

EBITDAとは

EBITDAマルチプルの説明の前にEBITDAについて少し説明します。EBITDAとはEarnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortizationの略をいいます。簡単に言うと営業利益に減価償却費を足し合わせたものを言います。

 

ちなみに、「イービットディーエー」と読みます。プロサラがMBA留学していた頃には「イービッダ」とか教授が言っていました。これは簡単に言うと企業の本業での収益力を示す指標になります。

 

減価償却費は費用として計上されますが、キャッシュは出ていっていません。設備投資の大きな会社によっては減価償却費が大きく、赤字となる場合もあります。このような影響を排除して設備投資から得られた本当の利益が順調に推移しているかどうかの指標になります。要するに収益性の指標といっていいでしょう。

 

EBITDAマルチプルとは

それではEBITDAマルチプルについての説明をします。これは投資評価をする一つの指標となる倍率のことです。さきほど説明したEBITDAの何倍の価値があるかの指標をいいます。これはM&AがEBITDAの何倍で買収成立しているのかを探るアプローチになります。

 

業界によってこのEBITDAマルチプルの数値は異なってきます。例えばKPMGでは業界セクター別のEV (Enterprise Value: 企業価値)/EBITDAマルチプルのトレンドをグラフ化しています。

 

2018年6月現在のデータによると一番高いのが医薬・ヘルスケア業界の15.4倍です。次いで消費財・小売業の12.5倍、IT・インターネット業界が10.5倍となります。一番低いのがエナジー・公益事業・通信で7.1倍となっています。

 

Market Check!:セクター別EV/EBITDA倍率トレンド
最新:M&A市場を計るマーケット・マルチプル動向

 

武田のシャイアー買収をどう評価する?

以上の数値から製薬・ヘルスケア業界はEBITDAマルチプルの平均値が15.4倍ですので、これ以下の数値では特に高値掴みしたとはいいません。最近話題になった武田のシャイアー買収を例にとってみます。武田のシャイアー買収額は7兆円と言われています。

 

これを企業価値=EVとします。シャイアー社のAnnualレポートから同社のEBITDAは$6,493M(約7,300億円)であることがわかります。これらから、7兆円=70,000億円/7,300億円=9.6倍であることがわかります。EBITDAマルチプルで10倍ですので、決して高い買い物をした訳ではないことがわかります。

 

http://investors.shire.com/financial-information/financial-highlights.aspx

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

今回はEBITDAおよびEBITDAマルチプルについて説明しました。また、話題に上った武田のシャイアー買収を評価するとEBITDAマルチプルは10倍となり、業界平均の15倍に比べて低いことがわかりました。メディアが報じるように決して高い買い物をした訳ではないことは明らかです。

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